キノコにハマった。
本屋でキノコの本を数冊購入し、とりあえず手近なところから攻めてみようと、雨の中、府中のとある公園に突撃。
降りしきる雨の中、散髪してもらったばかりの頭で(前回の日記参照)、公園を隅から隅まで探し回った。
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5分くらいで第1号のキノコに遭遇。

しかしキノコは本当に見分けがつかない。
これも見つけた日は「もしかしてマイタケじゃ? 府中でマイタケ見つけたのはもしかしておれが初めてでは」とドキドキしていたけど、後で調べてみると、どうやらナラタケモドキという種類らしい。
キノコ本もいくつか買った上で今回のキノコ探しに臨んでるんだけど……本に載ってる姿とまるで違ってたりするんだよなあ、これが。
キノコにあたる人が毎年後を絶たないのも容易に理解できる。
このナラタケモドキも食べられるが、食べ過ぎると中毒を起こすとか。
確かに近くで見てみるとどこか肉っぽさもあって、おいしそうに思えなくもない。
この日は1時間半ぐらい公園をぶらぶらしてみて、他にもホウライタケとか、ちっこいキノコをいくつか発見。
キノコ採りってもう重装備して山に入らないといけない印象だったんだけど、公園の隅っこでも探せば意外と生えているもんだね。
こういったライトなキノコの楽しみ方もあるものなのかと。
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さらに同じく府中にある浅間山にて、コッペパンみたいなキノコを発見。
これはノウタケ(脳茸)というキノコで、食べられるらしい。
このキノコは他にもいろいろな場所で見つけた。
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これからたくさんキノコを見つけるため、決意表明としてキノコTシャツを購入。
ちなみにこの手の「マリオ型」のキノコは、ベニテングダケがモデル。
雨が降ってから2、3日たった頃にキノコは多く生えてくるとの記事を読み、3連休の初日、三鷹の野川公園へと出かける。
するとそこには、まさしくキノコのワンダーランドが展開されていた。
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キノコの種類を特定するのは難しいが、さすがにこのキノコは分かりやすい。
下痢や嘔吐、幻覚を引き起こすという毒キノコ、テングダケの種類だ。
調べた限り、ウスキテングダケという種類みたい。
毒キノコなのに外見が異常なほどポップ。
特に傘が開いてない幼菌。
キノコと同じ目線になって横から見てみると、まるでマリオのステージに迷い込んだかのよう。
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これとかさ、もうかわいらしすぎるでしょ。
食べて死亡した例もあるキノコだってのに。
「かわいらしさ」と「死」という、まず重ならないはずの二つのワードが共存するところに、キノコの魅力を感じる。
毎日そこにあるわけじゃない、常に移ろっているかのような非日常感。
最も身近にあるサイケデリックな存在ではなかろうか。
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これはベニウスタケというキノコ……のはず、たぶん。
種類を調べるため導入した「きのこ判定機」というアプリによれば「アンズタケ」との判定だった。
でもネットや本に載ってるアンズタケの画像と似てないんだよなあ。
というかこの「きのこ判定機」全然当たらないです。
候補が5個ぐらい挙がったりするし、しかもそのどれもが違っていることもある。
ほぼ色だけで特定してるような……。
それだけキノコの同定は難しいってことなんだろうけどさ。
(2022/5/26追記・すいません久々に過去の日記を見返したんですが、これどう見てもベニウスタケじゃないですね。アカヤマタケとかそっちの系統のキノコかと思われます)
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毒キノコの風貌をしつつ、これはおそらくコムラサキシメジという食べられる種類みたい。
シメジと名の付くキノコが、スーパー以外でこんな身近にあるとは驚き。
ジメジメしたところに生えた、埃っぽい見た目のキノコなんで、まるで食欲が沸きませんが。
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草にまみれてひっそりと立っていたドクベニタケ、多分。
これは府中でも見かけたし、割とそこらに生えているみたい。
にしてもやっぱり赤いキノコは映えますな。
(2022/5/26追記・これも柄がどう見てもベニタケではないんだけど、写真がこの1枚だけなのでそれ以上分からず)
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代表的な「死ぬやつ」のドクツルタケ。
おれも子どものころに「白いキノコは危ない」と教わったけど、このキノコのイメージから来ているものではないだろうか。
(2018/10/5追記・すごい当然のようにドクツルタケって書いてるけど、あらためて見直すとオオシロカラカサタケっぽい。元々は日本では沖縄とか一部にしか生えてなかったけど、温暖化の影響か何かで本州にもやってきたとか。ちなみに毒キノコであるのは変わらないです)
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こんなのも生えていた。
最初粘菌の類かと思ったが、たぶんシロソウメンタケかな
あまり味はないみたいだが、酢の物などにして食べたりもできるらしい。
府中の森公園に9月初めに行った時から、わずか半月でこうして色々なキノコを見かけることができて、非常に楽しめてるんだけど、キノコ探しをやろうと思った時にいくつか「これは見たい」って思ったキノコがあって、それらはまだ見つかってないんだよね。
その中の一つに、タマゴタケというキノコがある。
ネットでもタマゴタケに関して書かれた記事は多く、食べておいしいし、見た目がとにかく華やかだしと、このキノコに惹かれない人間はいないんではないかと思えるほどにアイドル的な魅力を持ったキノコだった。
そしてそのキノコは、どうやら府中近辺では見当たらなさそう。
どうしても見たいと思って、3連休の最終日、埼玉にある国営武蔵丘陵森林公園へと向かった。
ここは公式サイトでタマゴタケが見られると謳っているほどなので、まず外さないだろうと。
以前訪れた時は森林公園駅からレンタサイクルをやってて、3キロぐらいある公園までの道のりも苦もなく行けたんだけど、どうやらいつの間にかサービスが終了していたらしく、しこしこ歩いて公園まで向かうことに。
しかし今のおれには長い道のりも、地面を見ながら進んでいけば、もはやレクリエーション。
これがまた、途中にも結構キノコが生えてるんだ。
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これ何だろう。
キッコウアワタケというキノコっぽく見えるけど、自信がない。
THEキノコといった好感持てる外見。
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黄色っぽいキノコが集団でお出迎え。
これはニガイグチ? イグチという種類のキノコはおいしいものが多いらしいが、ニガイグチは名前のまんま、苦いらしい。
まぁ、これがニガイグチであるっていう自信もまるでないんですが……なのでこれに限らず、文中に出てくるキノコの名前については、話半分どころか話10分の1くらいで考えてほしいです。
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日本の国民食、どら焼きのようなキノコに遭遇。
コウジタケというキノコに見えるし、さっきまでのキッコウアワタケ? とニガイグチ? と同じ種類に思えなくもないし……。
こんなことをやりながら行ったので、公園まで大分時間がかかったものの、何とか到着。
せっかく埼玉まで来たのだから、なんとしてもタマゴタケを見つけなければ……と意気を新たにして、用心深くあたりを見回しながら進む。
すると入園してわずか5分ほどで、憧れのあの子(この場合の子は木の子の子です)とおぼしき姿が視線の端に飛び込んできた。
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結構距離があったんだけど、このフォルム、もう特徴的すぎて、他のキノコではと疑うことはなかった。
憧れのタマゴタケに初遭遇。
みんながっつり傘が開いてて、まるで来襲したUFOみたいで、ちょっと不気味ですらあるが。
これだけだと何をもってタマゴタケというネーミングなのか分かりづらいが、後々分かるのでご心配なく。
タマゴタケはめったに見つからないと思いこんでいたため、最初このタマゴタケ軍団を見た時は、もしかしたらこの後、他のタマゴタケにはもうお目にかかれないんじゃないか、じっくり見ておかねば、くらいの気持ちでいたんだけど、奥に進んでみてビックリ。
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ご老人といった風貌のタマゴタケ。
この後、怒涛の勢いで多くのタマゴタケを発見することになるのだった。
目にしている風景のどこかに必ずタマゴタケがあるってくらいのすさまじさ。
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傘が開いたタマゴタケも、これはこれで美しい。
だけどこうなると、やっぱり見てみたいのは幼菌だ。
いい形のタマゴタケを探しながら進んでいくと、とうとう……いた。
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もう感無量ですよ。
他のキノコとは一線を画した、このオリジナリティ。
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箸休めに木が食い込んだノウタケを載せてみる。
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ちなみに何でタマゴタケと呼ばれているかというと、外皮膜に覆われた幼菌の姿がタマゴっぽいからだそうな。
キノコはカビにやられて真っ白になっている個体もよくあるので、これもどっちか悩んだんだけど、たぶん幼菌かな。
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りんご的な色褪せ具合をしたキノコ。
タマゴタケかとその時は思ったけど、帰ってから調べてみた結構、これはベニイグチというキノコみたい。
とにかくタマゴタケが多すぎて、赤いキノコは全部タマゴタケに見えてしまい、この時はタマゴタケだと思って疑わなかった。
でも柄の色、明らかに違うよなあ。
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それこそ文字通り腐るほどあったタマゴタケの中でも、形がいいのはほんの数個だけ。
これがこの日遭遇した、一番の美人さんだった。
キノコ図鑑の「タマゴタケ」カテゴリの写真として使われてもおかしくないと自画自賛してしまうほどの「これぞ」っぷり。
この日1日でタマゴタケ、少なく見積もっても300本は目にした。
これまで他の場所でさんざん探しても見つからなかったのは何だったのか。
生えるとこには生えてるんだなあ。
公園のキノコは採取禁止なので、さすがに持ち帰ったりはしていないけど、この見た目なら毒キノコと見まがうことはなさそうだし(ベニテングダケと似てるけど、ベニテングダケは基本的にイボがたくさん付いているがタマゴダケにはないし、他にもベニテングダケはヒダと柄が白く、タマゴタケは黄色いので識別できるらしい)、次は野生のタマゴタケを取ってみたいな。
タマゴタケはオムレツに入れたりするなど、カジュアルな料理に向いてるらしいし。
うまいキノコをたくさん取るか、間違って毒キノコ食べて死ぬかみたいな深入りをする勇気はまだないけど、タマゴダケの生える場所くらい知っておくと、人生がタマゴタケのように華やかになりそうだ。
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帰り道ではまたキノコを探しながら歩く。
おそらくブナシメジかと思われる。
食べられるかはともかく、シメジとかメジャーなキノコが野生で見つかるとテンション上がるなあ。
野川公園で見たコムラサキシメジと比べて、こっちはもっとTHEシメジな外見だし。
他にも見た目がまんま栗みたいでかわいらしいクリタケや、食べられないが1か所に数百単位で発生するサイケなイヌセンボンタケ、そしてとにかくおいしいヤマドリタケなど、見てみたいキノコが目白押し。
これからは当分、下を向いて歩くとしますかな。
(2020/7/31追記・ナカグロモリノカサだと思われます。ビギナーでもブナシメジに会えるんだ! と歓喜したのに悲しい)