梅雨が明けた。
世間的には梅雨明けは大歓迎だろうが、キノコはカラカラの気候だと引っ込んでしまうため、逃げられる前に焦ってキノコ探しに出発。
今回は飯能市の周辺。
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最初に出会えたのはタマゴタケ!
幸先いいです。
このあたりは毎年訪れているが、タマゴタケは初見。
タマゴタケは生える場所にはたくさん生えるが、生えない地域にはひたすら生えない印象があり、出会えるとは思っていなかったので驚いた。
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1枚目の写真の奥にあった、物陰でいちゃつくカップルのような関係のタマゴタケ2本。
初めは良かったが、ここからしばらくキノコに会えず、最初のタマゴタケは運が良かったのかなと考えながらもひたすら歩く。
にしても暑い、とにかく暑い。
そりゃあキノコも家(土?)にこもってしまうだろうよ。
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それでもちょこちょこ小型のキノコには遭遇。
これはおそらくコガネヤマドリ。
探していたキノコの一つで、食べられるキノコだが苦みがあり、人によってうまいといったり、何も感じなかったりするらしいという、微妙な扱いをされている。
人間の世界じゃ金色はワンランク上のグレードとみなされているが、キノコにそんなルールは通用しない。
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もう1本。
かわいらしいサイズ。
いい状態のがあったら持ち帰りたかったが、さすがにこの大きさじゃ厳しいな。
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今年初遭遇のノウタケ。
これも食べられるが、おいしいと言っている人をあまり見たことがない。
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暑さで疲れて木にもたれかかっているようなキノコ、これはキアミアシイグチ?
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小さいのがあったので抜いてみた。
食べられるが、酸味があるとか。
それからまたキノコは見つからなくなり、暑さで体力ばかりが減っていく時間が続いたが、菌の神はおれのことを見捨ててはいなかったようで。
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タマゴタケ再び。
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別角度から。
よく見ると傘の部分に先客の姿がある。
タマゴタケは感覚として、一つのポイントで1本しか見つからないことも多いが、もしも2カ所で見つかったならば、その後3カ所も4カ所も生えている可能性が高いように思う。 
タマゴタケだけを狙うタマゴタケ目になり、以降はとにかく地面にある赤色に注視して歩いた。
すると、そこから堰を切ったようにタマゴタケ軍団が姿を現し始めたのです。
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また別の場所。
しかしここまで見つけたタマゴタケたちはみんな成菌で、状態がイマイチ。
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が、とうとう最高に美しい個体を発見。
タマゴタケは成菌も老菌も派手で見栄えがするが、この傘が開いていない状態のタマゴタケの美しさったらないね。
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別角度から。
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この個体は頂くことにしました。
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また別の場所。
これは面白い姿。
幼菌は美しいが、成菌もそれに劣らないポップな姿。
傘に乗っかっている白い帽子、これ本来タマゴが収まっているツボの部分?
突き破ったツボの破片が、そのまま頭に乗っかっている?
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さらに別の場所。
落ち葉に埋もれているが、とにかく目立つ赤色のため、ハンターに見つかってしまった。
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この日、タマゴタケはこの地域の隠れた支配者だった。
他のキノコはさっぱり見つかなかったが、タマゴタケにはさらに何回か出会うことができた。
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状態のいいタマゴタケをいくつか頂いてきた。
右から年齢順に並べてみたが、次男と三男の序列が分からない。
持って帰ってきたのは食べる目的もあるが、他にもう一つ、ずっとやりたかったことがあり。
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そう、それはタマゴタケの育成。
水で湿らせたキッチンペーパーに上に置いておくと、ここからまだ育つそうな。
理想を言えば、まだ卵に収まっている状態から育てたかったが、残念ながら見つからなかったため。
もう我慢しきれないので、今回は幼菌から育てることに。
並行して、残った2本は料理する。
今回は鮭と一緒にバターで炒めてみた。
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完成。
ちなみに鮭のボリュームと比べて、タマゴタケ2本では足りなかったため、育成予定だった1本を料理側に回してしまった。
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文句なしにうまい!
タマゴタケはユーティリティープレイヤーですな。
単品でも美味しいが、鮭と一緒に頂いても味がぶつかることなくイケる。
さて育成を試みているタマゴタケだが、3時間、4時間とたってもサイズが一切変わらない。
キノコの成長は早く、目に見えて大きくなっていくことを望んでいたが……おかしい。
夜寝る前になっても、1ミリすら変わっていないように思える。
正直この時点で、過度な期待は持たないようにして、眠りにつく。
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朝起きてみると、全く変わらないサイズのままで、傘が少しだけしょぼくれていた。
うーん、水気が多過ぎたのか、逆に少な過ぎたのか。
残念な結果になってしまったが、無駄な廃棄は絶対したくないと、これ以上の育成はあきらめ、いなばの缶詰カレーに入れて朝食で頂いた。
うまい。
今回は失敗したが、卵の殻に収まったままのタマゴタケを見つけたら、またやってみようと思う。
大人の自由研究、今年のテーマはタマゴタケ育成です。