冷めないダルバート熱。
平日だというのにどうしても食べたくなり、池袋の大地に立つ。
いくつかお店の候補はあったが、北池袋など微妙に遠いところは避け、また行ったことある店は除外するなどして、最終的に「アリガットカレー」に決定。
でも歩いてみるとここも意外と駅から遠くて「こんな平日の夜、しかも残業帰りに果たしてわざわざカレーを食べに行く意味はあるのか」と自己との哲学対話(要するにめんどくさい)をしつつ、というか実際に2度振り返って帰ろうとしながら思いとどまったりして、かろうじて意志が打ち勝って到着。
5
なんとも雰囲気のある通りよ。
まあ、どう見ても「馬場」が一番目立ってるわけだが。
お目当てのアリガットカレーは一番奥にある店。
お店に入ると、決して広くないスペースの中、テレビからはでかい音で歌謡曲中心の歌番組が流れており、そしておじちゃんが煙草をふかしまくりながら、一人その番組を熱心に見入っている。
ネパール料理のお店なのに、あふれる昭和感・場末感。
なんというか、このお店の並びにあること、納得。
3
とりあえずククリラムを頂かざるを得ない。
ほんとネパール料理屋ってちょっと飲むには最適なんだよなあ。
大体の店は酒類も充実しているが、今のところ好き過ぎにつき、ククリラム一途です。
1
衝撃のメニュー。
もはや日本語訳がおかしいとかそういった話ではない。
このお店ではグレード的にマトン>チキンのようだ。
とりあえずマトンカレー(¥1000)を、口で言いつつ指さしてセレクト。
2
おつまみ的なメニューも充実。
「ポコだ」ってかわいらしいな。
サデこ……とは書いてないか。
4
やってきました、マトンカレー。
メニューに表記はないが、ダル(豆スープ)にバート(ごはん)、タルカリ(おかず)にサーグ(青菜の炒めもの)と、れっきとしたダルバート。
少し駅から遠い場所で、営業時間と定休日すら知らない中で来たので、食事にありつけただけでもホッとしたが、ここで衝撃の出来事が。
このダルバート……すげえうまい!
いや、マトンカレーもただ肉ばっかりガツガツの感じじゃなくて野菜も入っており、調和の取れたうまさがあったが、何より驚いたのはダル。
おれダルを飲んだ時に最初に抱く印象って、塩っ気が強いなとか、ここのはぬるめだなとか、あっさりしてるなとか(もちろんおいしいという前提で)、そういうことを考えることが多いんだけど、ここのダルは違った。
一口頂いて、え、うまっ! と。
まず初めに「うまい」という感覚が飛び込んできた。
こんなこと過去にあったっけか?
ダルもまた調和が取れており、塩っ気もちょうどよく、でも優しい感じもあって、いくらでも食べられる味に仕上がっている。
この瞬間、お店を悩んだ挙句ここにしたこと、店までの道が意外と遠くて引き返しかけたこと、全てが「来て良かった」という一つの感想に昇華された。
ククリラムに惑わされたなんてこともなく、間違いなくおいしいダルバートだった。
これは他のメニューも味わいに、また来なければなるまい。
行きはえらく遠く感じたが、帰りは酔いとダルバートのうまさで気分が良かったこともあってか、池袋駅まで別にさほど距離はなかったという……。
店の雰囲気は独特なので(時間によるかも)人を選ぶかもだが、ありがとう、いやアリガットと声を大にして言いたくなる、素晴らしいお店だった。
いやあ、ここはうまいですよ。

【今の1曲】

その昔、グレイプバインの大ファンだったおれは、ラジオでメンバーじゃなくマネージャーの方が好きだと紹介されていた、この曲の収録されたStyxのアルバムまで買ってしまう妄信ぶりだった(売ったけど)。
グレイプバインは今でもほんとロックという言葉を冠しながら、いろいろな具材をドロドロに煮詰めたような素晴らしきごった煮音楽をやってるが、Styxの遺伝子は入ってなさそうな……。
でも好きだったバンドがいまだに現役バリバリでやってるって、それだけで最高だなと。
「継続」が解散の美学より美しいものかは分からないが、いつまでも新作を聴けるってそれだけで、ファンとしては幸せだよね。